トヨタの燃料電池車 MIRAIの燃料は水素。その水素で作った電気で走り、ガソリンを使わないから走行時に排出ガスを出さない、出るのは水だけなので環境に優しい未来の車。

このような触れ込みで、12月15日発売されたが、本当に環境に優しいのでしょうか。

本当に環境に良いのは電気自動車(EV)ではいの?
なのに燃料電池車(FCV)に200万円もの補助金をだすの?
そんな声があちこちから聞こえてきます。

 CO2を排出せず環境に優しいと言ってますが、実はCO2を排出しているのです。

そこを解説する前に、まず燃料電池とはなにかを、わかりやすく解説します。

 

燃料電池車(FCV)電気自動車(EV)の違い

どちらも電気で走ります。

電気自動車は、蓄電池の電気で走ります。
燃料電池車は、燃料電池で水素を酸素を化学反応させた電気で走ります。

電気自動車は、充電スタンドで電気を充電します。
燃料電池車は、水素スタンドで水素を充填します。

また、電気自動車は減速時に車輪の回転から得られるエネルギーを電気に変換して蓄電します。

燃料電池車(FCV)と電気自動車(EV)の違い

もうひとつ水素を燃料とした自動車があります。

水素を燃焼させる水素燃料エンジンを搭載した水素自動車です。

既存のエンジンを改良するだけで安価に製造できるので、マツダ、フォード、BMWなどが試作車を走らせました。しかしCO2を排出しませんが、窒素酸化物(NO)が排出される問題点があり市販されることはありませんでした。

水素(H2)を酸素(O2)と化学反応させる発電装置(燃料電池)を搭載したのが燃料電池車です。

 

エネファームも燃料電池で発電

エネファームは天然ガス、都市ガスから水素を取り出し、その水素と酸素を化学反応させて発電します。燃料電池は化学エネルギーから(変換途中で熱エネルギーや運動エネルギーという形態ととらず)電気エネルギーへ直接変換するので発電効率が良く、反応時に熱をともない、その熱を利用することで、より効率が上がります。

 

そもそも水素とはなに?

水素とは、原子番号1宇宙で最も数が多く、常温常圧では無色無臭の気体で、とても軽く、非常に燃焼・爆発しやすい。

水素単体では自然界にはほとんど存在せず、炭化水素や水(H2O)などの化合物として存在する。炭化水素の代表的なものはメタン。都市ガスは天然ガスと称してますが、ガス名はメタンガスで、プロパンガスも同様な化石燃料。

つまり水素だけを取り出そうとすると、余計なものを取り除かなければなりません。
化石燃料であれば二酸化炭素(CO2)が、水であれば酸素(O2)が分離排出されます。

燃料電池はCO2を排出しない環境にやさしいと言われているが、化石燃料からの水素製造過程ではCO2を排出されるのです。

電気分解により水素を分離する方法もあり、排出されるのは酸素なので。こちらの方が環境に優しい製造方法ですが、ほとんどの水素は炭化水素から製造されています。

 

CO2排出を伴わない(CO2フリー)水素製造プロジェクトが注目

(1)再生可能エネルギーの電力によって水を電気分解する。
(2)化石燃料から発生するCO2を、大気に放出する前に分離・回収して貯蔵する。
という二つの方向でCO2フリーの水素を製造する試みが活発化しています。

ガソリンは燃焼時に排出ガスを撒き散らしますが、燃料電池車であれば水素製造時に分離・回収することができ、それを地中に戻す実験も行われています。

再生可能エネルギーからの水素製造を将来的には期待したいと思います。

 

こんなところに燃料電池、燃料電池車に期待します。

燃料電池と蓄電池の比較してみると、蓄電池は電気を貯める装置であるが、燃料電池は水素を補給すればずっと電気を供給する蓄電池、つまり発電装置なのです。

蓄電池は電気を補給して貯める装置。燃料電池は水素を補給して発電する装置。

  1. 電池として利用
    燃料電池を発電で利用するのではなく、電気を貯める装置、つまり蓄電池として利用する。
  2. 輸送手段として利用
    送電線を必要としないオフサイド型水素ステーション。
    災害地や送電線の設置されていない地域へ水素を輸送し水素ステーションから電気を供給する。さらには燃料電池車から電気を供給する。オフグリッドで電気供給できる。
  3. 貯蔵
    高圧化と液体化。日本の高圧ガス保安法は、安全に密封できる容器も開発され現在は700気圧となったことにより燃料電池車が500km走行可能な水素を搭載することが可能となった。

燃料電池に期待する理由は、
・製造するときも発電するときもCO2を排出しないクリーンエネルギーとして、
・天候に左右される太陽光や風力発電による余剰エネルギーを蓄電する方法として、
・水素を電力を輸送する手段として、つまり送配電網が不要になり、電力を供給しにくい地域や災害地への電力供給が可能となるからです。

また送電ロスが少なく、燃料電池で電力を発生させると同時に発生する熱も利用することのより効率が上がるコジェネレーションとしても期待します。

私自身は、車にはあまり興味ないので、燃料電池車も含めた燃料電池に期待しています^^