27年度補正予算「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」(中小省エネ)と28年度通常予算「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」(エネ合)の比較及びメリット・デメリットの比較をしてみました。
省エネ補助金 比較
中小省エネは設備費のみ補助対象となり工事費は補助対象外となります。補助率は1/3と同じです。
照明は灯具を交換せず電球や蛍光灯のみの交換は補助対象外となります。さらにトップランナー基準以上の設備に限定されますので注意が必要です。例えばLEDダウンライト60W相当以下の照明では基準を満たさないものも多いようです。さらに建物に附帯していない照明(駐車場など)も補助対象外となりますので設備の選択に注意してください。
申請数はエネ合は制限がありませんが中小省エネは3事業所以内という制限があります。1次募集で3事業所を申請し2事業所だけが採択された場合は、2次募集で再度1事業所を申請することができます。
法人、建物謄本は提出が必要ですが、決算書は中小補助金の場合は提出する必要がありません。これは「中小企業等・・・」のタイトル通り資金的に余裕が無い中小企業にも補助金を利用することで省エネを容易にすることを目的としているからだと思われます。中小企業であれば評価も加点されます。
省エネ効果計算書が必要にります。昨年度の「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」(A類型)は設備団体が発行する性能証明書を添付するだけで良かったのですが、これは少々やっかいです。
既存設備と導入設備の省エネ比較するために設備ごとエリアごとに省エネ計算が必要。「簡易に申請が行える制度を創設し」と謳いWeb上で自動計算されるシステムになっています。しかし全てのデータを整理して入力しなけばならず難易度は高いシステムになっています。私どもは独自に省エネ試算システムを作成し整理検討後で最後に入力することで支援しております。エネ合は施設全体の省エネ計算も必要となり、さらに難易度アップになります。
省エネ補助金 メリット・デメリット
ではどちらに申請した方がよいのか、メリット・デメリットを比較します。
予算総額は中小省エネが多いのですが、エネ合には複数年/年度またぎ分もあり公募予算額は半分ほどではないかと思われます。27年度のエネ合予算額410億円に対して公募予算額は210億円でした。エネ合は工事費も含まれ、またエネマネ事業者を活用する場合の補助率は1/2となるなど大規模設備の申請が多くなっています。
エネ合の方が工事費も含めれて補助金額が大きくなりますが、申請だけでなく採択後の中間検査や実績報告などの業務が大変になります。これらの業務専任者がいない中小企業であれば中小省エネに申請された方が良いのではと思います。
それぞれの補助金概要は下記を御覧ください。
27年度補正予算「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」
28年度通常予算「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」
以上、27年度補正予算「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業」と28年度通常予算「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」の比較及びメリット・デメリットについて解説しました。
これらの補助金申請のご相談されたい方は下記をご覧の上、気軽にご連絡をください。
2016年3月16日 辻川英章
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