創業二百六十余年の老舗割烹旅館をリニューアルする予定だけど、電気料金が高いので調べて欲しいと依頼が入り、さっそく伺いました。
埼玉県比企郡小川町にある割烹旅館 二葉。西郷隆盛と談判して江戸城無血開城の立役者「山岡鉄舟」ゆかりの宿で、国の有形文化財に指定されている旧館と日本庭園にある茶室。それに3階建の新館。さらには結婚式場として人気の旧館のそばに立派なチャペルまでありました。
早速、館内をチェック!
一部LED照明に交換してありますが、まだまだ従来の照明がほとんどで、LED照明化も必要です。ただし現在は、宿泊できるのは新館の5部屋のみなので、電気使用量はそれほど多くありません。
それから電気料金請求書を見さしていただき、、、驚きました!
電気料金削減の試算
年間の電力料金をまとめたのが下図です。
「業務用休日高負荷2型」という、新規受付中止している東京電力との契約です。
7月より消費税分がアップしています。
基本料金の最大需要電力(デマンド値)が2月93kW、8月92kWに対して、最小需要電力が5月39kWと2倍以上の開きがあります。
5月は天候が良いのでエアコンはほとんど使用せず、2月は寒く、8月は暑いのでエアコンの使用頻度が高く、需要電力が大きくなります。しかし2倍以上とは、開きが大きすぎます。
(横軸1〜12の数値は、10月〜9月の12ヶ月になります。目盛の数値と月が不一致でごめんなさい)
グラフにしてみると電力使用量は、8月の最高電力使用量は最低の5月の約1.5倍なのに、デマンド値は2.4倍と跳ね上がっています。デマンド値とは30分単位での数値なので急激に大きな電気が流れているのが原因です。
この場合の電気料金削減は、基本料金を下げることが重要です。
調べてみると、旧館の結婚式場及び控室のエアコンが原因でした。
天吊型4機、据置型1機、合計5機が20年以上前の旧式の空調、ダイキン、東芝、三菱重工、松下とメーカーもバラバラということは、増設を繰り返したようです。
また室外機1機は、屋根の上に設置されて雨ざらしで夏は直射日光で暑く、冬は吹きさらしで寒い状態。
旧式の空調を省エネタイプのインバータ機に交換し、一斉稼働をしないなどの運用に気をつけることによりデマンド値、15〜20kW程度下げることが可能です。
基本料は、年間で30〜40万円程度の電気料金削減になります。
月により変動しますが、電力使用量も月に1〜5万円程度、年間20万円程度の削減と予想されます。
さっそく施工工事開始
有形文化財として登録されているので、工事は細心の注意を払い2日間で無事完了。
新規受付を中止している業務用休日高負荷2型を、一般的な業務用電力契約への変更試算をしてみましたが料金はほとんど変わりません。
ただし全館リニューアルするとともに貸切風呂を3個所増設。また部屋数も2部屋増やし7部屋にすることにより宿泊稼働率が上昇することが予想され、ソーラー&蓄電池を導入しピークシフトに有効な業務用電力季節別時間別契約への契約変更を検討することもよいでしょう。
さらに東京電力から新電力(PPS)への変更もこれから検討します。
さて、どのような数値になるか楽しみです。
『祝』和紙 無形文化遺産登録!
建物だけでなくWebサイトもリニューアルしfacebookなどのSNSも導入したいので「頼む」と頼まれ、
WebはGoogleアナリスティック解説本も執筆しているラディカルサポートの皆川氏にお願いして私がプロデュース。facebookページ和紙の里 埼玉小川町 割烹旅館 二葉は、しばらくの私が担当することに。
このブログを書いていたら、、、和紙が世界文化遺産に登録決定のニュースが入ってきました。
東秩父村と小川町の「細川紙」も登録されました。うれしいですね!
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割烹旅館 二葉のおせち料理 二段重《みずいらず》(18,000円)を2名様にささやかプレゼント