設備会社や工事会社に設備チェックの依頼すると、交換設備「導入設備」の提案をします。商売ですのであたり前ですが、その前に「導入設備」の状態を確認して、それから省エネ(省CO2)により電気やガスなどの経費削減効果を確認し、さらに省エネ補助金を利用することを検討すると良いでしょう。
既存設備の状態を確認する方法
省エネ補助金の対象になる主な設備は空調、照明、ボイラーなどの給湯、換気設備です。これらの数量と機種名、できれば型番をリスト化して、設置した年月も確認してください。
確認方法は、
①施工図、竣工図による確認
②仕様書やマニュアルによる確認
③装置の名盤からから確認
これらの法定耐用年数は概ね15年ですので、設置後12~13年であれば、そろそろ設備交換の計画を立てる時期です。まだ大丈夫だろうと思っていても突然故障するとお客様、入所様、従業員に迷惑がかかるだけでなく緊急対応ですので、費用も多くかかります。また在庫機種に限られますので性能が良くない機種にせざるを得ない場合もあります。
全て調査するのは大変で一般の方では限界もありますので、可能な範囲でやってみてください。
エネルギー使用量及び費用の確認
電気、ガス、重油、灯油などです。金額だけではなく使用量も確認してください。
電気の高圧契約になると基本料金の割合が多くなりますので、基本料金とデマンド値も確認してください。
これらを年度ごと月単位でExcelなどで整理してください。面倒だと思われますが設備を更新してエネルギー費用削減を知るためには必要ですので必ず行いましょう。また省エネ補助金申請にはこのデータが必要になります。
その他国庫省の「建築物の省エネ補助金」では、ガラスや断熱、エレベータも対象の補助金もありますが、これは申請するのであれば業者へお任せしましょう。
この既存設備の状態を知ることは改修計画の立案には重要です。省エネするには次の3つのことが重要です。
1)エネルギーチェンジ
ガスや重油の空調から電気の空調にしたり、灯油ボイラーをガスや電気に変えたりすることで省エネにつながる場合もあります。
2)システムチェンジ
老人ホームや宿泊施設に多いのですが、セントラル空調から必要なエリアだけの個別空調にすることで大幅に省エネになります。また温度センサーや人感センサーにより空調や照明をコントロールするEMS(エネルギー・マネジメント・システム)を導入することで省エネになり、EMSは補助金の対象にもなります。
3)省エネ+創エネ
「太陽光+蓄電池」を設置することで電気やガスの費用削減になります。Fit売電の補助金はもうありませんが、自家消費用で補助金もあります。また温泉熱やスーパー銭湯などの廃湯から熱交換することで省エネになります。
これらについては、次の(3)改修計画を立てるで、説明します。
(1)公募の種類と時期も参考にしてください。
作成:辻川英章