12月13日に閣議決定された2019年度補正予算に、生産設備におけるエネルギー使用合理化等事業者支援事業費補助金」(経産省)が新設されました。
なぜ、この補助金が新設されたか? まず今年度の結果を踏まえて、来年度の補助金への影響を推測してみます。
2019年度 エネルギー使用合理化(エネ合)補助金の採択結果
2019年度は「省エネ補助金」と「省電力補助金」に分けて公募されました。
省エネ補助金は、既存設備と導入設備のどちらかが電気以外の設備
省電力補助金は、既存設備も導入設備もどちらも電気の設備
申請・採択結果は下表のようになりました。
出典:環境共創イニシアチブ
Ⅰ.工場・事業場単位とは、設備費+工事費に対しての補助金で詳細な省エネ計算が必要になり申請が難しい補助金です。
Ⅱ.設備単位とは、設備費のみに対しての補助金で簡易に申請が行なえます。
省エネ補助金の採択率は90%以上となり、申請に不備がなければ採択されたものと思われます。
省電力補助金はⅠが約55%、Ⅱが約70%となり、特にⅠが55%と低い採択率になりました。
2019年 「生産設備のエネ合」が新設された理由
省電力補助金の採択案件の内訳を調べると、レーザ加工機など生産設備の採択金額が約15億円となり、採択金額合計40.5億円の約36%を占めていました。またレーザ加工機などの生産設備の採択件数は、わずか24件と少なく、採択率を押し下げることになりました。
このように生産設備の採択に偏ることで採択件数、採択率も悪くなりました。
そこっで「生産設備のエネ合」を新設することでレーザ加工機などの生産設備の申請を省電力補助金等からの変更を則し、その他の空調や照明などの設備を採択しやすくするものと推測します。
2020年 省エネ補助金・省電力補助金への影響
上記のチラシになるマシニングセンタ、レーザ加工機、射出成形機は電力で駆動する装置です。新設された生産設備のエネ合に電気以外で駆動する生産設備も含まれるのであれば、省エネ補助金への申請も、新設されれた「生産設備エネ合」に申請への変更もあります。
いずれにしても2020年度の省エネ補助金、省電力補助金の採択率はアップすると思われます。しかし補助金予算や配分方法により変わりますので、そう単純ではなさそうです。
補助率も考慮に入れる必要があります。
生産設備を申請する企業は、中小企業ではなく大企業に分類されます。
Ⅰ.工場・事業場単位の補助率は1/4(設備費+工事費)。生産設備のエネ合は、
Ⅱ.設備単位ですので1/3(設備費のみ)となりアップなりますが、補助額は多少減るものと思われます。
しかし簡易な申請なり手間は少なくなります。
2020年度の補助金の詳細がわかりましたら、ブログにアップしまが、今から準備をしないと間に合いません。私も何件か申請準備に入りました。ご相談があれば気軽にご連絡してください。
作成:辻川英章