二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(・・・事業)という補助金は数多くあり、私もすべて把握できません。事業所が「省CO2」をすることで設備改修の申請可能な下記の補助金の今年度の採択結果をまとめましたので参考にしてください。
CO2削減ポテンシャルシン診断推進事業
この補助金は、CO2削減ポテンシャル診断を行う経費を補助するとともに、診断を条件として低炭素機器導入に必要な設備(空調や照明など)経費に対して補助金を支出します。
(1)CO2削減ポテンシャルシン診断事業
実際に計測して診断するコースと、計測済みの資料によって診断するコースがあります。
補助金は、計測あり:100万円、計測なし:50万円です。
環境省は診断することを推進してるので、申請すればほぼ採択されます。
29年度は、28年度の約2倍の応募件数があり、これが次の低炭素機器導入事業に影響を与えました。
(2)低炭素機器導入事業
CO2削減するための導入設備と工事費の1/3を補助します。
照明や空調などを導入(交換)する設備の他に、新設の再生可能エネルギー発電システムも補助対象です。(ただし自家消費に限る)
補助金上限は3000万円(LED照明導入の上限は1500万円)です。
上記の診断を受けた事業所の応募が多くなった結果、今年度は申請数も多くなりました。
採択率は28年度1次70%、2次59%でしたが、29年度は1次12%、2次29%を大幅に少なくなったのは「診断」に予算を配分したからでしょうか。
業務用施設等における省CO2促進事業
民間で申請可能な補助金は3つあります。それぞれ概要と採択状況を説明します。
(1)テナントビルの省CO2改修費用(国交省連携)
ビルオーナーとテナントが協業し、契約や覚書(グリーンリース契約)を条件に補助。
設備改修事業 設備費と工事費の1/2を補助 上限5000万円
採択件数は少ないのですが、おそらく申請件数も少なく、ほぼほぼ採択されているものと思われます。
なお東京都も同様の補助金制度を設けています。
(2)ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証実験(経産省連携)
事務所、ホテル、病院や老人ホーム、学校などの新築及び改修において省エネ設備(断熱、ヒートポンプ、空調、給湯、照明、蓄電システムなど)費用と工事費の2/3(上限5億円)を支給する補助金です。
ただし省エネ率50%以上を達成することが条件で、ハードルが高く補助率も高い補助金です。
延床面積2,000㎡以上は経産省、2,000㎡未満は環境省で募集されました。
省エネ率50%以上に設定されてから申請数が少なくなり、こちらもほぼほぼ採択されているものと思われます。
(3)既存建築物等の省CO2改修支援事業(厚労省、農水省、国交省連携事業)
農水省が漁港、国交省が駅舎の施設を対象として、厚生省が民間で申請可能な「中小規模老人福祉施設」が対象です。
中小規模老人福祉施設
入所定員100人以下の福祉施設において、高効率省エネ設備(照明、空調、給湯など)を導入し15%以上CO2削減することを条件に、設備費と工事費を補助。
補助率:1/3 上限2000万円
申請数は公表されていませんが、2次公募が中止になりましたので、申請は多くあったと思われます。
作成:辻川英章
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