経産省の平成27年度補正予算、中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業補助金「革命投資」の1次公募の交付採択案件が発表されました。そこで、もうすぐ始まる3次公募に備え傾向や金額などを検証してみました。

「革命投資」の採択決定案件(1次公募)はこちらです。

平成27年度補正 中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業費補助金 1次公募交付決定

 

26年補正「A類型」と27年補正「革命投資」と公募予算、採択件数との比較


26年補正予算の「A類型」の公募金額800億円、採択件数3060件に対して、
27年補正予算の「革命投資」の1次公募金額300億円と減少しましたが、採択件数は4243件と多くなりました。

1件あたりの補助金額は「A類型」2600万円に対して「革命投資」は285万円と約1/10と激減しました。その要因はいくつかあります。

まず「A類型」は業界団体が発行する性能証明書があれば先着順採択という方法をとりました。その結果、性能証明書1枚で数千万から数億円の電気使用設備、つまり工場の生産ライン加工設備などの申請が早く、そして多く採択されました。採択企業はほとんどが工場でビルや商業施設は微々たるものでした。

その反省から「革命投資」は、照明や空調、給湯などどのような施設でも使用している一般的な設備に限定しましたので照明と空調が約80%を占める結果になり、1件あたりの補助金額が少なくなりました。

もうひとつの要因は、補助金の割合が1/2から1/3に減ったことです。例えば3000万円の案件であれば補助金額が1500万円から1000万円に減ったわけです。

「革命投資」の補助金額合計から採択率を推測してみました


「革命投資」の補助金を合計すると約121億円です。1次公募予算300億円に対して採択金額121億円ですので予算が余ったということです。
つまり採択率は申請書に間違いがなければほぼ100%であったと推測できます。

しかし申請したかったけど申請できなかった埋もれた案件が多くあったような気がします。

それは「簡易に申請が行える制度を創設し、、、」とWeb上で入力する新しいシステムを導入したのですが、途中のチェック機能もあり、全て入力完了し終わって、さあプリントアウトするために「入力完了」ボタンを押すと自動チェックされた、ハッキリ言ってわけの分からないミス項目がズラズラっと出力され、それを検証するのに時間がかかり、締切に間に合わなかった案件が多くあったように思われます。

それもあったのでしょう。1次募集終了後、急遽2次募集を140億円の予算で募集開始しました。同時に3次募集(公募金額100億円)も行うことも公表しました。

 

「革命投資」の採択事業者に医療法人、社会福祉法人が激増した理由


「革命投資」の採択事業者は医療法人141、社会福祉法人113件ありました。

昨年の「A類型」は両法人ともゼロ。同時募集の「B類型」でも各1件で、27年度のエネルギー使用合理化の補助金「エネ合」でも医療法人9件、社会福祉法人4件とほとんど採択されていません。

B類型」も「エネ合」も中小企業には得点が加算されますが、医療法人や社会福祉法人などは加算が無いのが要因です。そして申請を敬遠してるのが現状でした。

しかし「革命投資」はその区別による加算がなく、同じ条件で審査されます。これが申請、採択が増えた理由です。

 

「革命投資」の3次公募がSIIより予告されました。

以下は、7月10日追記しました。
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<3次公募期間>
平成28年度7月下旬〜9月上旬(予定)
3次公募では公募内容の変更を行う予定。
◆申請基本要件(上限、事業所数制限)の変更
◆補助対象設備(産業用モータ、BEMS、他)
(7月8日発表のSIIページより)
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採択は10月になりそうですが、「革命投資」は単年度補助金ですので早期に工事する必要がありそうです。

公募金額は前述したように100億円程度になりそうです。

医療法人や社会福祉法人はチャンスです。A類型」に申請出来なかった事業者や「エネ合」で不採択になった事業者は、再度申請してはいかがですか。まだ申請したことのない事業者の方々、まだ間になんとか合いますので、チェレンジしてはいかがですか!

設備の選定、導入、そして申請手続きを支援しますので、気軽にご相談下さい。

2016年6月29日 辻川英章

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