建築物の省エネ、省CO2の主な補助金は、既存建築物省エネ化推進事業(国交省)と二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(環境省)の民間建築物等における省CO2改修事業とZEB(経産省、環境省)になります。
既存建築物省エネ化推進事業(国交省)
予算は他の事業も含めて約100億円程度ですが、年度により予算配分を変えているようです。
29年度は3次募集まであり、採択率も90%以上です。しかし昨年の1次募集は35%と採択率が悪くしかも2次募集を急遽中止しました。今年度の1次募集も40%と低くなっています。
31年度より省エネ効果基準を15%から20%に上がり、外皮(断熱など)改修を優先するなどハードルも上がっています。来年2020年の予算要求は今年度とほぼ同額となります。
詳細はこちらに書きました。 ↓↓
2020年 既存建築物省エネ化推進事業(国交省)
民間建築物等における省CO2改修事業(環境省)
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(環境省)には、民間建築物等における省CO2改修事業とZEB(ネット・ゼロ・エネルギー)やテナントビル補助金なども含めれます。
民間建築物等における省CO2改修事業は、昨年までは100床以下の中小老人福祉施設に限定されていました。今年はその制限がなくなるとともに補助率を1/3から1/2にアップし、補助金上限を2,500万円から5,000万円にアップしました。
しかし来年2020年度は補助率を1/3に戻してます。
詳しくはこちらに書きました。↓↓
2020年 民間建築物等における省CO2改修事業
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
ZEBは下記のように建築物の延べ面積により経産省と環境省に分けて募集しています。
ZEBは省エネ、省CO2率50%以上とハードルが高く、既存建築物を改修では費用も高くなり、ZEB要素を設計に入れられる新築の方が適しているようです。補助率も他の補助金より高くなっています。省エネ、省CO2率により下記のようになっています。
- ZEB 100% 補助率2/3
- Nearly ZEB 75~100%(創エネも含む) 補助率2/3
- ZEB Ready 50~ 75%(創エネも含む) 補助率1/2
3年間の採択結果は下表のようになります。
今年度より新築の延べ面積2,000~10,000㎡が経産省から環境省に変更になり、予算も経産省から環境省へ移動したようです。採択施設はエネルギー使用量が多くなく、また太陽光発電による電力供給できる昼間稼働する事務所や学校が多くなっています。夜間も稼働する福祉施設やホテルなどは、よりハードルが高くなります。
来年度の予算要求などはこちらに書きました。
2020年 ZEB実証実験( 経産省 環境省)
著作:辻川英章